あと施工アンカーについて

あと施工アンカーとは

コンクリートで造られる構造物に他の構造物(外装材、内装材、設備機器、構造部材)を取り付ける場合に、アンカーボルトを用いる事が多いですが、設計段階で、その構造物の取付場所が決まっている場合には、予めその構造物の取付場所にアンカーをコンクリートと一緒に埋め込んでおくことができます。このアンカーのことを一般的に先付けアンカーと呼びます。
一方、構造物を設計する段階でその取付位置が決まっていない場合や、取付位置が変更になる場合などは、そのままコンクリートの中に先付けアンカーを入れるわけにはいかないので、後からの施工が必要となってきます。

この場合に活躍するのが、あと施工アンカーと呼ばれるものです。

すでに構造物ができあがっているところにアンカーを打ち込む訳ですから、構造物への直接的な影響や、動的、静的な強度も考慮したアンカーとその施工方法が重要となってきます。

近年、あと施工アンカーの需要はうなぎのぼりで、その理由のひとつとして、様々なデザインパネルの登場もその一つです。コンクリート建築物の見栄えがパネル一つでまったく違うものになります。そのデザインパネルを取り付けるのに必要なのがあと施工アンカーなのです。

あと施工アンカーの分類
あと施工アンカーの分類

通常のコンクリートよりも、加工のしやすい軽量気泡コンクリートにおいても、あと施工アンカーは多くの場所で使用されます。軽量気泡コンクリートは主に5階建て程度の中低層建築物の外壁や床板、超高層マンションの廊下・バルコニー側の外壁、鉄骨造の倉庫や工場の外壁等で用いられることが多い建築材料の一つで、高温高圧多湿養生を意味するオートクレーブ状態で製造管理されたコンクリートのことを指し一般にALCと呼ばれます。その言葉はAutoclaved Light-weight Concrete の頭文字からつけられました。

下穴不要の、あと施工アンカー

通常、あと施工アンカーを使用するに際して、ALC板には下穴をあける必要があります。
その下穴は、通常ボルト径とほぼ同じか、あるいはやや大きめの穴をドリルであけて、アンカーボルトを設置します。

ボルト定着のために、隙間にモルタルあるいは樹脂などを充填する充填方式、ボルト先端を機械的に広げる方式、あるいはコンクリートに貫通孔を設けて定着金物で定着する貫通方式などがあります。

いずれにしても、その方式では下孔を開ける作業、充填作業等が必要で、下孔を開けるといっても、そのくずを出さないといけないし、現場では1本のアンカーボルトを打つのにも、結構な作業時間が必要であります。

ところが大阪ファスニングのあと施工アンカー「トリオン」にはその下穴が必要ありません
その理由は
 今までのあと施工アンカーは、アンカーを打ち込む前に下孔を掘削します。そして、そのクズを外に出します。そのクズはALCそのものですね。つまり軽量気泡コンクリートのクズであります。そもそもALCは従来のコンクリートとは違い、その成分に多くの空気を含んでおります。ですので、ALCは水に浮きます。
弊社「トリオン」はこのALCの性質そのものを利用したあと施工アンカーとなっております。ALCはコンクリートと比べて比重が軽い、その軽い理由はその成分に含まれる空気の量がコンクリートよりも非常に多いことがその理由のひとつとなっております。
あと施工アンカー「トリオン」はその特殊な形状により、下孔を必要としません。ALCに専用打ち込み棒を使って打ち込むのですが、打ち込まれていく時に、トリオンの体積分のALC成分の体積が移動します。
その体積はトリオン足の開脚部の内側に、通常ALCよりも堅く固まり、また、トリオンの特殊形状の表面の様々な凹凸部分に圧縮されて密着します。
他社のあと施工アンカーは挿入するアンカーそのものの体積と同等の体積分のALCをコンクリートドリルにより取り除いてしまいますので、引き抜き強度という面でもALCの体積分の応援はなくなるわけです。
トリオンが下穴を必要としないのは、その特殊形状の理由だけではなく、さらに引き抜き強度を増すために、本来くずとして外部に捨てられるALCの成分そのものを利用したまったく新しい考えに基ずいて設計されているからなのです。

現場からの声(エピソード)
先日、時々会うゴルフ仲間と喫茶室にいるとき、その友人が私の仕事について聞いてきました。私はあと施工アンカーというアンカーを作って販売していて、我社は特にその中でもALC(軽量気泡コンクリート)用アンカーに最近は力を入れている。そしてその商品が業界にかなり浸透していて、愛用して頂いている旨の話をしました。そしたらその友人も私の話がわかる仕事をしていた関係で、私の話を直ちに理解して、その友人曰く「この近所にもALC工事の現場があるが、君の言うアンカーを使っているかな??」と半分意地悪く?言いました。
そしてその現場に二人して見に行って、私たちは暫らく職人さんの仕事ぶりを見ていて、私の製品を使っていると直ぐにわかりました。しかし私はまったくしらん顔をして、そのアンカーの性能、使い勝手についてその職人さんに聞いたら、今まで、怪訝な顔をしていた職人さんは、アンカーの説明を簡単に話してくれたあと、さっきまでの表情とは打って変わって、まるで自分の子供をかわいがるようにそのアンカーをみつめ、満面の笑顔で「ああ、これなー これはすごいんやで わしはこのアンカーと出合って、こいつの性能の良さに惚れ込んでいるんや。いままで使っていたアンカーとは比べ物にならないほど、使い勝手が良くてなー すごい丈夫でいいやつやねん」と惚れ込んでいる様子が手に取るように感じられ、私は感動しました。我々はありがとうを言い、その場を離れました。そのあと、友人が、「アンカーってあんな製品なんやー でもあれほど現場の職人が気に入る製品を作っている会社ってすごいなー」って私に話しました。私は「実はなー その場では言えなかったんやけど、あれは実はうちの製品やねん 仕事ぶりを見てすぐにわかったから、話を聞いてみたくてあの職人さんに話しかけたんや。そしたら黄色の箱が置いてあったんや。」と話をして友人はほんとにびっくりしていました。
妻と旅行に遠方まで出かけた時にも、工事現場をみるとついつい近寄ってみて見たくなるのですが、遠くの田舎の工事現場で、弊社の「トりオン」を見たときは、本当に嬉しく思います。
また、小さな工具、ビス等を販売している店先でも「トリオン」を置いてくださっている事実。弊社はそのような地方の小さなお店までは手がまわらず、弊社代理店のどの会社が販売して頂いているのかわかりませんが、とにかく嬉しく思う次第です。
今、この「トリオン」にめぐり合っていない方に、是非とも弊社の製品の素晴らしさを感じていただきたいと思います。

製造販売本数3000万本以上の実績があり、ALC板構造物に広く御使用いただくことができます。
強度も耐久性も十分な実績があります。

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